
MBAに行こうか迷っているんだよなぁ_・・
ぼくは銀行員をやりながら1年、退職してニートをやりながら半年間の猛勉強を経て、2016年に海外MBAの合格の通知を頂きました。
しかし、結果的にMBAに行くことを選びませんでした。
今回は、膨大な勉強時間を割いて、合格を頂いたにも関わらず、MBA留学に行かなかった理由を述べたいと思います。
これはあくまで個人的な意見と考えであり、「 MBAに行くこと」を否定している訳では全くありません。
むしろ、社会人生活を一旦休止し、未知の世界に飛び込んで行く勇気と受験過程におけるプロセスをやりきった方々には尊敬の念しかありません。
ぼくの経験や思考のプロセスが、これからMBA受験を考えてる方や、迷っている方の参考になれば幸いです。
そもそもなぜMBAに行きたかったのか?

ぼくは近い将来、自分自身をどこにいっても働ける状態にしたいと思ってます。
その瞬間瞬間で「やりたい!」と思ったことにチャレンジするような人生を送りたいと考えていました。
例えば、サラリーマンにおいては『起業してもいいけど、あえて会社員といて働いている』を指しています。他にも、会社内で「事業としてこのサービスをやりたい!」と思った時に行動できるような状態でいることが目標です。
その状態に必要なものは「どんな商売にでも対応できる本質理解力と実行力」だと思ってます。
銀行を最初の就職先に選んだのも、自分の専門業界を狭めることなく、色々な商売を見れるという理由からです。
MBAでは各国の企業やビジネスモデルの成功の要因分解をしたり、ケーススタディとして疑似体験が出来ます。さらには世界の優秀なクラスメイトと議論をすることで、汎用的、かつ普遍的なビジネス能力がつくのではないかと思っていたのです。
自分がありたい姿に必要な能力を得るためにMBAが必要だと、当時の自分は考えていたのです。
自分のキャリアを考えてMBAに行かなかった?
MBAにはTOEFLという海外経験のない人にとっては地獄のようなテストに加え、GMATという更に難しいテストとエッセイまであります。トップスクールと呼ばれる海外MBAに合格するのは並大抵のことではありません。
MBA受験のための塾や、TOEFLの受験代でおそらく100万くらいは使い、休日もほぼ勉強していました。この費用を払ってなかったら、もっと合格までの時間がかかっていたでしょう
しかし、ここまで熱望していたMBA留学への切符を手にしたにも関わらず、あっさりと行くことをやめました。その理由には大きく3つあります。
今の時代にMBA行かないと経験できないことは?

近年の各分野での技術の進歩は本当にすごいですよね。スマホ1つで何でもできるし、機械学習もどんどん進化しています。
学習において、技術革新が教育にもたらしたイノベーションは、移動(時間)コストと経済コストの圧縮です。
要は、「わざわざ”そこ”に行って高い授業料を払わなくても学べる」ってことです。You Tubeはまさにそうですよね。
昔は、有名な教育者の授業や話を聞くためには、その場所に行ってリアルタイムで聞くしか方法がありませんでした。授業を受けることの希少性が高いため、受講料も高く設定されていました。
しかし、今はインターネットがそれを可能にしています。リクルートでもスタディサプリというサービスを提供していますが、過去から考えるとまさにイノベーションです。
今の時代はその瞬間、その場にいなくても同じ情報を簡単に共有できます。本人の気持ち次第ではどこにいても世界最高峰の教育や情報をキャッチできるといっても過言ではありません。
こういった時代背景や環境の変化の中で、『海外に移動してまで机上の空論を学ぶことに果たしてどのくらいの価値があるのか?』という問いに自分で答えを見出せませんでした。
生きている時代が少し前であれば、行くことを決断したかもしれません。
趙括より織田信長になりたい

趙括 という人物をご存知でしょうか?名将と呼ばれたである趙奢の息子であり、とても頭の切れる方です。
父である趙奢の言葉では、以下のように言っています。
戦場は生き死にの場所であるのに、趙括は無造作に論じている。趙括が趙軍を率いる事になれば、必ず敗れ去るだろう
つまり、いくら机上で空論を述べたって、実践は別のものということです。
一昔前の働き方は、会社を辞めるかやりたいことを諦めるか?のどちらか一方を選ばなければいけませんでした。
しかし今は違います。その中間の選択が可能です。サラリーマンをしながら起業が出来たり、個人で仕事を請け負うことも出来ます。

自分次第ではどんなビジネスも始められる状況で、『知識を詰め込む前に自分でやってみること』『教室で講義を聞き、知識を蓄えて準備をすること』のどちらが今の自分がすべきことだろう?と考えた時に答えは明白でした。そして、自然と気持ちは固まっていったのです。
勝算の少ないレッドオーシャンに飛び込む?

自分が高卒からニートであれば、MBAを取ったかもしれないと思います。なぜなら、その経験をしてたら面白い人になれそうな気がするからです。
しかし、『慶應大学卒』→『銀行員』→『MBA』 というのは経歴的に面白くありません。マウンティングしたいがために、自分に鎧をたくさん身につけているような気持ちになるのではないか?と本当に思っていました。これは論理や理屈でなく、直感的な話です。
何よりも、ぼくのような経歴の領域にはとんでもないスーパースターがいます。帰国子女で、勉強は常にトップで、最初のキャリアは外資コンサルやPEファンド・・・・・と。
自分は決してそういうタイプではないことを誰よりも理解していました。その土俵では間違いなく勝てないですし、何より自分自身がそこで勝負したいと思えませんでした。
もちろんMBAに行くことの理由は、こういった表面的なものではなく、学べる内容や経験を目的とすべきというのは重々承知の上です。
しかし、それを踏まえた上でも、MBA留学というキャリアとぼく個人の性格を考えたときに面白くない人になりそうだと感じたことも、渡米しなかった理由の1つでした。
MBAに行った後にどんなキャリアを描いていたか?
前述の通り、ぼくが海外MBAに行かなかった理由は大きく3つあります。
・今の時代にMBAに行くことの価値がどれだけあるか?
・机上の空論より実践でしょ!
・自分が勝てないフィールド、面白くないキャリア
さて、MBAに行った後の自分は具体的にどんな仕事をしたかったのでしょうか?
ぼくはVC(ベンチャーキャピタル)や新規事業立ち上げの仕事をしたいと思っていました。
なぜなら、「自分で事業を作れる」「今後伸びそうな事業を見極め、投資」「スタートアップ企業のファイナンス」のスキルは、将来の自分のありたい姿である”どこでも働ける状態”のために必要だと考えたからです。
結局ぼくはMBA留学を断念し、自分のありたい姿を実現すべく、リクルートへの転職を決めました。

そして、リクルートに転職して3年後には、当初の目標だった「VC業務」を行うことになりました
自分が「何をしたいか?」「なぜそれをしたいか?」「どうやったらできるか?」を真剣に考えてきたからこその自分のキャリアだと思っています。
ぼくは当初の考えでは「どうやったらできるか?」の”how”の部分の答えが盲目的に「MBAを取ること」になっておりました。
しかし、改めて自分の頭で「他に方法ってないんだっけ?」ということを考えて行動したからこそ、自分がやりたかった仕事に就くことができたと思っています。
まだ、スタート地点に立ったばかり。
これを正解とするも、行けばよかったと後悔にするのもこれからの自分次第だと思っています。
「その瞬間でやりたいと思ったものにチャレンジする人生を送りたい」と述べましたが、会社員として自分がその姿を体現することで、会社員で勤めながら悶々としている人のを動かすきっかけになれたら、と思っています。
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