銀行の営業なんて役に立つのか?

こんな何のスキルもつかない仕事をしていていいのだろうか?
銀行で働くことで将来も安定だ!という幻想もなくなりつつあり、僕たちが40歳、50歳になる頃には銀行がどうなっているのかすら怪しい時代になってきました。
ぼくは、銀行の時の同期や先輩後輩からの転職相談を受けている際に、多くの人が毎回同じことを言うのを目の当たりにします。

転職したいけど、もうちょっとしたらでいいかな・・・
「自分には自信がない」「何をしたいのかわからない」という気持ちでダラダラと同じ毎日を送ってしまっている人がたくさんいます。
初めにしっかりとお伝えしておくと、ぼくが銀行から転職をした28歳を超えると、転職できる会社や選択肢はかなり狭まります。
こちらの記事で、30歳で地方銀行からリクルートキャリアへ転職した方のご紹介をさせて頂きましたが、正直、可能性としてはレアケースなので、「異業種にも転職できるじゃん」と受け止めないで頂いた方が現実的だと思います。
しかし、銀行の営業経験はみなさんが思っているより、遥かに価値があるものです。他の仕事でも銀行員の経験は大いに役立つのも事実なので、安心してください。
ただ、転職活動をする際には注意が必要です。
実際にぼくが銀行から転職活動をしている時に体験した軽い失敗談です。
ぼくが銀行から退職して転職活動をやっている時に「銀行から転職するにはどんな場所はあるのか?」と様々な元銀行員の転職ブログを見てしました。
しかし、振り返ってみると、全く参考にならなかった、というのが正直な感想です。
実は自分自身が非常に困った実体験があったからこそ、このブログを書いているのです。
なぜなら、銀行員向けの転職ブログを書いている本人が転職して良いキャリアを歩んでいなかったからです。
銀行を辞めてブロガーになっていたり、自己啓発のフリーコンサルになっていたり、と銀行員の時のキャリアを全く活かしていない人ばかりだったからです。
もし、あなたが「銀行員のブログを書いている!」みたいに思う記事があれば、しっかりと書き手の人を確認しましょう。特に、銀行を短い年数で辞めた人の話には耳を傾けるべきではありません。
当時のぼくは銀行の時の経験を活かして、仕事にやりがいを持ちたいと考えていたので参考にするのは辞めました。
・新卒で銀行に入社し4年間を法人営業行う
・退職後7ヶ月間ニートになり、転職活動をフルパワーで行う
・リクルートに法人営業で中途入社。入社1年強で50名の営業リーダーに
・リクルートで3年間営業を行った後にベンチャーキャピタリストに転身
今ではずっとやりたかったVCの仕事をやらせてもらえていますが、それは銀行での営業経験があったからに間違いありません。
そして、銀行の営業経験を活かせる場所はたくさんあります。
もし、皆さんが銀行の時のキャリアをリセットしてゼロから始めたいのであれば、そっとこの記事を閉じて、ブログ収益で生きている人の記事を読んだ方が良いと思います。
本記事は、銀行の営業経験で評価されるポイントと、将来のそれぞれの希望のキャリアプランに出来るだけ合わせて、おすすめの転職先の考え方をいくつか挙げているので、ぜひ参考にしてみてください。
転職をする銀行員と転職をしない銀行員のキャリア
銀行から転職を考えている人のほとんどは以下の理由に当てはまります。
・仕事にやりがいを感じない、ノルマがきつい
・スキルが身につかないから将来が不安
・会社に尊敬できる人がいない
銀行から転職していく人はこのような理由で離れていくので、自分だけが「こんな気持ちでいいのかな?」とネガティブになる必要はありません。
反対に、「自分に甘えているだけだ!」とか「他の会社に行っても辛いのは同じだ」のように、ストイックで一生懸命になると視野が狭くなってしまう人の方が何も考えずに銀行の仕事をやり続けてしまう傾向があります。
彼らは非常に真面目で頑張り屋さんで、社内では評価されますが、『1人のビジネスマンのキャリア』という観点ではちょっともったいない傾向にあります。
会社からすると、自分の市場価値や今後のキャリアを全く考えずに日々せっせと働いてくれるからです。
転職をしない銀行員にありがちなケース
結果的に転職をしなかった銀行員は、最初から「銀行でずっと働くぞ!」と決めていたわけではありません。
彼らは何回も転職を考えていたのですが、機会を逃してしまっただけなのです。

いつかは転職のチャンスがある

海外の支社や本部に行けるかもしれない
何かしらの淡い幻想を抱いて、同じ日々を送る自分を正当化しているのは、本心では転職したいけれども、行動しない人にありがちなケースです。
他にも「今の案件が終わったら」「次の異動があったら」、このような発言もする人も、結果的には転職しないタイプなので気をつけましょう。
ぼくは転職相談を受けた元同期や先輩後輩から何度もこの言葉を聞きました
転職をしないとどうなるのか?
銀行員が転職をしないで日々過ごして行った場合にどうなるか?というと、あなたの上司や支店長のようになります。支店長になれたらすごいですね・・・
至ってシンプルな話なのですが、意外に多くの銀行員はこのように考えてはいません。
あなたがこれからの仕事人生はMAXで頑張って、銀行の支店長か役員なのです。
ぼくは退職理由の1つがこれでした。
実は銀行を退職した4年目の時は、仕事が楽しく周囲との関係性も良く、銀行員にしては珍しく会社に行きたいと思っていたくらいです。
しかし、ふと我に返って客観的に自分を見てみると

仕事は楽しいけど、支店長になりたいわけじゃないのに何で頑張ってるんだろ・・・・
仕事がある程度慣れてきたので、これ以上仕事を頑張ることで何を得られるのか?何を目指しているのか?がわからなくなってしまったのです。
十数年前は銀行の支店長は、給料も外資企業並みに高く、支店を管理していれば良い時代でした。
一方で、今の支店長は仕事量も多く、給料も昔ほど良いわけではありません。これから数年後の支店長は更に状況が悪化することは間違いありません。
そう考えると、どんどん銀行で働く意味が見出せなくなっていきます。

そんなこと言っても転職なんてできるのかなぁ・・・
はっきり言って、銀行員の営業スキルを持って正しい場所へ転職すれば自分次第でいくらでも活躍できます。
銀行員が転職しても活かせるスキル
銀行で営業をやっていると当たり前のことが実は大きな武器になります。

もう営業をやりたくないなぁ
銀行の営業は辛いので、「もう営業をやりたくない!」という人が多いのですが、他の営業は銀行の営業に比べると遥かに楽である可能性が高いです。
無理に思えるノルマに胃をキリキリさせながら働くのは銀行、もしくは金融業界特有のものだったりします。会社も変えて、職種も変えるとなるとキャリアがリセットされてしまうので、個人的には営業職で転職したのちにキャリアチェンジするのが良いかと思います。
なぜなら銀行での営業経験を活かして次の職場で評価されてから変更する方が高い評価や待遇でジョブチェンジできるからです。
ぼくはリクルートで1年強で50名の営業リーダーになれたのも、銀行での営業スキルがあったからだと確信しています。
なぜ、そんなにも銀行の営業のスキルが高いのか?
その理由は大きく3つあると思っています。
経営について数字をベースに会話できる
銀行の法人営業は会社の決算書を読めなければ、商品を売ることは出来ませんので、嫌でも経営について触れることになります。

それって当たり前じゃないの?
しかし、他の営業マンは自分が取り扱っている商品の納品数や売上数しか把握していないことが多くあります。
ちなみにぼくがいたリクルートの営業でも、営業マンはお客さんの売上と競合商品にかかるコストくらいしか把握してませんでした。
例えば、メーカーの営業であれば、自社の製品の導入により、どのくらいのコストカットが図れるのかを提示することはありますが、それが会社全体の営業利益や経常利益ベースでどのくらいの影響値をがあるか?を考えることはほぼないのです。
ですので、当然、財務諸表や損益計算書を読むこともありません。ぼくがリクルートに入社して一番驚いた出来事の1つでした。
以前に、リクルートの社内で、一定の役職者以上向けの研修が行われたことがありました。

役職者以上の研修だから、どんな内容なのだろう?
と期待していました。
しかし、2日間かけて行う研修は、銀行の新入社員研修の1日目に行うよりもレベルが低いくらいの内容だったからです。
いかに普段の営業行為で、会社全体の決算書に触れる機会が少ないのかを感じた出来事でした。
財務諸表や損益計算書は銀行の専門知識ではありません。全てのビジネスにおいて、必要不可欠なものです。
サッカーであれば、『リフティング』でもなく、もはや『ユニホームを着る』レベルの話です。裸でサッカーしたら、警察官とお話することになるだけです。サッカーはできません。
その研修の講師は某コンサルティング会社だったのですが、他の大企業ではリクルートよりもさらに年次の高い人に向けて、同じ研修をしているようでした。
つまり、それだけ財務諸表を読むことは、通常の営業マンの業務において必要のないものであるということです。
決算書を読まずに大きな提案は出来ない
本当の意味でクライアントに入り込んでいくためには、会社全体のことを考える必要があります。
なぜなら、重要決定事項の決裁者は社長や代表取締役だからです。
経営陣に刺さるような提案をするためには、その人たちの考えや悩み事を推測しなくてはなりません。
よくありがちなパターンとしては、社長に会ったことに満足して、

あの社長は売上を◯◯年後までに2倍にしたいという考えなんだって!
という風に、クライアントのビジョンだけを持ち帰ってくるパターンです。
このケースの場合、決算書を理解できない人には、ビジョンのリアリティが一切判断できません。だから、実現可能性に対して一緒に真剣に考えたり、アイデアを練ることも出来ません。
その点、銀行員は決算書を読むことが仕事です。
銀行では当たり前のことが、他の企業では驚くほど、行われていません。特に営業という分野においては馴染みがないのが実態です。
だからこそ、財務を読めることは1つの強みになり、自社の経営にも疑問を持ったり問題提起することができます。
ステークホルダーとの調整能力
銀行において、1つの案件をクロージングするためには様々な人の利害関係を調整しなくてはなりません。

まずは課長に話して次は副支店長にも話を通して・・・・・
銀行ほど、1つの案件のクロージングに多くの人の承認が必要な仕事はありません。
例えば、リクルートの営業をやっていて感じたことは調整能力はつきづらいと感じました。
なぜなら、基本的に周囲のみんなが驚くほど良い人ばかりなので、後先考えずに行動してもハレーションを生まないからです。
しかし、自社内ではリクルートのような動き方で良いかもしれませんが、対峙しているクライアントに対しては上手くいかない場合が多くあります。
リクルートのような組織風土は稀であり、対峙するクライアントは『ザ・大企業』のような組織文化がほとんどです。
だからこそ、そこで働いている人たちの気持ちを理解するためには、相手と、その上司や他部署との関係を理解する必要があるのです。
折衝している相手が、普段どんなことを上司に言われ、どんな評価を受けているのか?を想像することは、リクルートの企業文化でしか育ってきてない人には難易度が高いのです。
リクルートは極端ですが他の会社の営業も同様です。
銀行で多くの人に気を遣いながら仕事をしていると、新しい仕事をする際にも様々な人の考えや意向を踏まえて物事を進められるのです。
ものごとはロジックやきれいごとだけでは動きません。大企業なら尚更です。
社内の人間関係において、神経すり減るくらいまで上司や支店長のご機嫌を観察し、タイミングを見計らって話し掛けに行った経験は大いに活きるのです。
業界慣習に囚われない思考法ができる
経営コンサルなどの業種でない限り、普段取引を行う相手は決まった業界になります。商社でも、自分の部署に配属により、対峙する業界が必然的に決まります。
一方、銀行は色々な業界を横断的に見ることができます。
色々な業界の一般的な知識をつけたり、ある業界ならではの特異性を知ることができます。
様々な業界に普段から触れているからこそ、業界特有の変な慣習に気づくことができ、そこからイノベーションが生まれる可能性があります、
ぼくがリクルートで賞を頂いた案件も、外から来た自分だからこそ気付けた仕事でした。
それだけ1つの業界に対峙していると、当初は違和感に感じていたものが当たり前になってくるのです。
専門的に深掘りすることも大切ですが、異業界に触れることでの気づきや学びが自分に幅広い視点をもたらしてくれます。
志向性にあった銀行員のおすすめの転職先
営業のノルマに追われる日々で、「毎日これでいいのか?」と悩んでいる銀行員の方は多いのではないしょうか?
ぼくも銀行に入社して3年経った頃から周囲が転職をし始めたので

みんなチャレンジしていく中で、こんなことばっかりしてていのだろうか・・・
と考え始めました。
結果的に自分の短い銀行員経験に自信を持って、行動をしてみて本当に良かったなと痛感しています。
銀行において、20代のうちに経営者を相手に財務をベースとした仕事をこなした経験は間違いなく、強みになります。
『銀行員は転職後に活かせるスキルがない』とか『銀行の常識は世間の非常識』と言われますが、銀行の営業を通じて培われた経験は大いに価値があると身を以て感じます。
もし、あなたが銀行に勤めて3年目以降であり、かつ「転職しようかな」と少しでも思っているのであれば必ず行動すべきです。
行動というのは、結果的に転職をしなくても転職活動を通して自分のキャリアに向き合ってみるということです。
なぜなら、20代後半になるとポテンシャル採用の可能性が少なくなり、かつ30代になると金融業界以外の選択肢がほぼなくなるからです。(もちろん待遇を落とせば、転職先はあります)
ちょっとネガティブな話ですが、これは事実です。
銀行員の皆様なら理解できると思いますが、銀行の法人もしくは個人営業の場合、3年目か4年目を過ぎたあたりから急激に成長角度が下がることを感じませんか?
それ以降は1年1年、成長スピードが落ちていく代わりにポテンシャル採用の可能性が狭まっていくのです。
かといって、どこへでも転職すればいいというわけではありませんし、人それぞれ価値観や状況が違うのに「銀行員の転職先は必ず〇〇だ!」と言うのもおかしな話です。
そこで、銀行員の転職志向をタイプ分けしてそれぞれにおすすめの相談先をピックアップしました。
①まだ転職するか分からないけれどキャリアについて真剣に考えたい
②転職するなら営業のキャリアを活かして稼ぎたい
③銀行の営業のキャリアを活かして将来は経営に関わりたい
④営業以外の職種にキャリアチェンジしたい
転職するか分からないけれどキャリアについて考えたい人
「将来は銀行以外のところで働きたいけれども、まだ本格的に転職活動をするのではなく、とりあえずキャリアについて考えたい!」と言う人にオススメなのはこちらのキャリア相談サービス

リクルートで何度もMVPを獲得した伝説の営業マンが代表を務める完全紹介制のエージェントです。たった3人しかしないキャリアコンサルタントは少数精鋭のプロ集団で、他の転職エージェントに研修を行ったりしています。
求人の紹介をせずに、自分のキャリアについて相談に乗ってくれるので活用してみると良いでしょう。
転職するなら営業のキャリアを活かして稼ぎたい
「銀行の営業の成績も良いし、他でも力を試したい!そして稼ぎたい!」という方にオススメなのが、営業職に特化した転職エージェントでフルコミッションに近い営業職の企業とも結びつきが強いエージェントです。
銀行の営業のキャリアを活かして将来は経営に関わりたい
「営業だけで終わらず、将来は経営に関わる仕事がしたい!」という志向性の銀行員は多いのではないのでしょうか?
実はぼくはこのタイプでした。そして今は営業職を離れ、前述の通り、ベンチャーキャピタルの仕事ができています。
営業職から経営企画やコンサルや投資事業の職を行うには1つの方法があります。
ぼくは①の『営業職でコンサル営業をしながら市場価値を上げること』の方法でVCになりました。
これに該当するのがまさにリクルートです。ぜひ1度話を聞いてみてください。ぼくはこのエージェント経由でリクルートに入りました。

もう1つの方法が『②銀行の知識を活かしてコンサルに行くこと』です。
ぼく自身、実は転職活動時にはコンサル志望で外資コンサルを含めて数社から内定をもらいました。その時に利用していたのがこちらのエージェントです。
コンサル業界の面接はケース面接やフェルミ推定など特殊な面接形態であるので、絶対に転職エージェントを利用すべきです。
営業以外の職種にキャリアチェンジしたい
最後にご紹介するのは、「銀行の営業でもう満足したから次は営業の仕事がしたい」という方向けのエージェントはこちらです。
このエージェントが良い理由は、求人数と面接サポートのバランスが良いことです。
正直、完璧なエージェントなんていません。いたら人材業界はもっと1強になっているはずです。
求人数を多く持っていてもサポートが雑だったり、サポートは丁寧なのだけれども求人数が多くないことがあります。
銀行員の場合、転職市場においては一定の価値がありますので、極端にニッチな求人に応募することはまずありません。加えて、お客さんと話す仕事なので腰を据えて他の人よりも何倍も面接対策をする必要もありません。
そう考えた時にマイナビのような全てがハイクオリティなエージェントを使うことが最も効果的であると言えます。
最後までお付き合いありがとうございました。
少しでもぼくのキャリアに興味を持ってくだされば、こちらに時系列で記載しているのでご一読頂ければとい思います。

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