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日本にはないアメリカの不動産ベンチャーのメインストリーム

2020 6/26

ぼくの日々の業務では、世界中のベンチャー企業を発掘→投資することが仕事なので、自分で学んだものをみなさんにも、是非お伝えしたいと思っています。

頭の良いベンチャーキャピタルの人が解説した記事はたくさんあふれているので、自分らしくポップに、そして簡単にご紹介したいと思います。

今回は、市場規模も大きく、今後の大きな変革が予想されるアメリカのprop tech(不動産ベンチャー)を取り上げたいと思います。

この記事を書いている人

・新卒で銀行に入社(not メガバンク)4年間を法人営業に捧げる
・銀行を退職し、7ヶ月間のニートになる
・リクルートの営業職として中途入社し、1年後には50人の営業リーダーに
・3年間のリクルート営業生活を経て、ベンチャーキャピタリストに転身

目次

従来の不動産取引のカタチをぶっ壊すビジネスモデル

小難しい説明は他の記事に譲りますが、ざっくりとした不動産業界の特徴でいうと、「市場規模の大きさ」と「アナログであること」です。

市場規模が大きくて、テクノロジーによる進化が遂げられていないなんて、ベンチャー企業からしたらチャンスの宝庫ともいえる状況です。

アメリカの不動産取引流通量は200兆円といわれており、市場規模の相場がわからない人からしても、明らかに膨大なマーケットということがわかるでしょう

一言で『不動産』といっても、色々と幅広いので、今回は比較的馴染みのある、かつ日本とアメリカで大きな違いが生まれている「不動産売買」に関するトピックを取り上げたいと思います。

女性のアイコン画像女性

不動産の売買??

不動産取引は、直接的に売買を行うことはできませんので、仲介会社を介す必要があります。

実はアメリカでは、仲介会社の不動産の取引について新たな動きが出ているのです。

不動産の常識を覆す「iBuyer」

もし、皆さんが過去にマンションを購入していて、住み替えようと思ったら、不動産仲介会社に依頼して、買ってくれる人を探してもらわなければいけません。

不動産会社のアイコン画像不動産会社

〇〇市のマンションで南向きの4階ですね。近くの相場的に「〇〇千万円くらいならニーズがありそうですが、販売価格はいくら位にしますか?」

自身の希望販売価格を伝えて、不動産仲介会社は買い手を見つける活動を始めます。スーモに乗せたり、チラシを撒いたり、自社HPに載せたり・・・

仲介会社がようやく買い手を見つけると、売り手はマッチングフィーとして仲介手数料をもらうというビジネスモデルです。

日本の不動産売買における仲介会社は売り手を買い手を繋げるビジネスモデルなので、在庫を大量に仕入れて抱えたりするわけではないので、特段のリスクはありません。

従来はアメリカでも同じモデルだったのですが、近年、「iBuyer」というプレイヤーが台頭し、市場を席巻しています。

iBuyer

めちゃくちゃ省略して書きましたが、要は仲介会社がリスクをとって一度、物件を買い取り、それ第三者に売却するというビジネスモデルです。

仲介会社であり、テック企業でもある、新たな不動産プレイヤーです。

転職希望者のアイコン画像転職希望者

なんでそんなわざわざリスクあることをする必要があるの?

従来の仲介会社のあり方が、完璧だったわけではありません。

不動産取引は情報の非対称性が大きく、ユーザー側が泣き寝入りするようなケースも多々ありました。(ユーザとしては、分からなすぎて、もはや泣き寝入りにすらならないケースもあります)

しかし、オープンソース化、インターネットによる情報の流通により、情報の非対称性がどんどん縮小しています。

となれば、ユーザーに喜ばれるサービスが拡大していく、という当たり前の現象が起きることが予想されます。

従来の仲介会社が単なるマッチングを行う不動産取引では、以下のようなユーザーの不満がありました。

・販売価格設定の難しさ(高くつけるといつまで経っても売れずに困る)
・買い手の対応がめんどくさい(値段交渉、見学依頼対応)
・いつ売れるか分からないので、次の購入する予定を立てられない

テクノロジーを駆使した転売ビジネス

いくらユーザーのニーズがあるといえ、従来のようなマッチングから、買取・転売ビジネスを行うのはめちゃくちゃリスクがあります。

売り手から買い取る価格を高く設定してしまうと、買い手が見つからず、自社で抱え続けるか、もしくは赤字覚悟で処分しないといけないのです。

iBuyer は売り手から「買い取る価格」が命運を握る

買取価格を決めるときに重要なのがテクノロジーです。テクノロジーにより、従来では行えなかったビジネスモデルが可能になりました。

具体的には周辺物件の相場や過去取引履歴、類似物件のビッグデータを用いてアルゴリズムを組み、「適正価格」で買い取ります。

ここで重要なのは適正価格」とは、誰にとっての適正価格か?ということです。

これを考えることで、iBuyerのサービスの特徴とターゲットが見えてきます。

買取価格の”適正価格”とは?

買取価格の”適正価格”とは誰にとっての適正価格は?という問いには2つあります。

① iBuyerとしての”適正価格”

② 特定のユーザーにとっての”適正価格

iBuyerとしての適正価格

まず、サービスとしてビジネス的に成り立たなせなくてはいけません。

つまり、iBuyerとして安く買って高く売ることで利益を出さないといけないのです。

転売目的で買い取る場合、安く仕入れないといけないので、買取価格は必然的に安くなります

実際のデータとして、買取が行われた物件は相場より数%安かったというデータもでているようです。

特定のユーザーにとっての適正価格

上記のような場合、安く買取りをされても構わないユーザーがターゲットになります。

売却希望者のアイコン画像売却希望者

次に買いたい物件があるから早く売却したい・・

反対にいうと、急いでいないので、「とりあえず高く売りたい」というユーザーはiBuyerを使うメリットが無くなります。

つまり、iBuyerのメインターゲットとは「多少安くてもいいから、早く物件を売りたい」人たちなのです。

iBuyerの特徴と問題点

ぼくが最初に「iBuyer」を聞いたときには

そそのアイコン画像そそ

テクノロジーってすごい!転売ができたら、ポータルサイトやるよりも利幅取れるし、日本でも流行りそう!

と、一瞬思ったのですが、そんなに簡単なものではありませんでした。そこには、不動産特有の問題があるのです。

例えば、ぼくたちの生活に一番身近なメルカリで考えてみましょう。

転売で利益を出そうとするときに、まずは「いくらくらいで売れそうか?」を調べますよね。

「ヴィトンのバッグ」を転売しようとするときに、おおよそいくらくらいで売買されているか?をリサーチし、販売価格に合わせて仕入れを行います。

ただ、不動産の転売は他の転売と大きく異なる点があります

それは、『同じ不動産は1つとしてない』ということです。

自分が転売しようとする、ヴィトンのバッグは世の中に何個もありますが、不動産には類似する物件はあるものの、全く同じ物件はありません。

同じ住所でも間取りや構造が異なれば、全く価値の異なる物件になりますし、小さな違いが大きな違いに変わるのが不動産です。

小さな違いが大きな違いを生む業界で、精度の高いアルゴリズムを組むことは非常に難しいのです。というか、現時点ではほぼ無理でしょう。

アメリカでは日本にはない新たなベンチャーが生まれています。まだまだ、問題点や乗り越えるべき課題があるものの、業界をディスラプトする存在として引き続き、注目していきたいと思ってます!

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この記事を書いた人

そそのアバター そそ 現コーポレートベンチャーキャピタリスト

元リクルート営業、元銀行の法人営業。銀行の営業では全国1位、リクルートでは3年の在籍で2回の年間表彰を受賞し、新規事業PJ立ち上げも経験。営業一筋だったキャリアから一転してベンチャー投資の世界に飛び込むまでのキャリア論を記載

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