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銀行員入社1年目で営業に出た初日に辞めたいと思った話

2020 5/31
銀行員入社1年目で営業に出た初日に辞めたいと思った話
銀行員のアイコン画像銀行員

もうダメだ・・・辛すぎて銀行を辞めたい

銀行員の方であれば、嫌な上司と話すのが苦痛で会社に行きたくない経験や、辞めたいと思った経験は誰しもありますよね。

ぼくも入社1年目の営業初日の日に精神的に追い込まれた経験があります。

その他にもストレスで左目が全く見えなくなったり、深夜2時に天下一品のスペシャル定食を週4回食べさせられる生活を2週間繰り返してたのにも関わらず、それを上回るストレスで4キロ痩せたりしました。

今の時代では考えられませんが、ほんの数年前の実話です。

辛い日々を振り返ってみると、なぜか通勤中に読んでいたうつ病の銀行員のブログに救われていたことを今でも覚えています。

同じような経験をしている人に勝手に共感して、少し気持ちが軽くなったのかもしれません。

どなたかのブログが昔の自分を救ってくれたように、今回の記事が誰かの救いに少しでもなればいいと思って書きました。

1つだけ言えることは、銀行員時代には当たり前と思っていたことが転職をしていると当たり前ではないということです。

当時の自分は新卒で銀行に入社したこともあり、「会社とはこういうものだ」と固定観念に縛られていたので、頑張るしかなかったのです。

銀行を離れた自分だからこそ伝えられるものがあるし、自分が体験した辛い実話をお伝えすることで、「誰にでも辛い経験はあるけど、なんとかなるんだな」と思って頂ければ幸いです。

この記事を書いた人

・新卒で銀行に入社(not メガバンク)
・4年間法人営業をした後に退職しニートになる
・7ヶ月間のニート生活の末、リクルートに転職
・3年間のリクルート営業生活を終え、ベンチャーキャピタリストに転身

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目次

新卒研修と最初の配属から不穏な空気が漂う

今回のお話は、ぼくが銀行の法人営業として最初に営業に出た日の話です。

かなりピンポイントですが、社会人初の営業ということもあって、ドキドキしてたのですが、一気にやる気がなくなったことを今でも鮮明に覚えています。

実は、このお話をするには社会人になった日から話す必要があります。

新卒社員が入社後の研修で、配属先の支店を徹底的にリサーチ

ぼくは大学を卒業して新卒で銀行(notメガバンク)に入社し、約1ヶ月の研修期間を経て、支店に配属されました。

自分の支店は入社前にわかっているのですが、配属される支店が「どんな支店なのか?」はもちろんわかりません。

「どんな先輩がいるのか?」「支店の雰囲気は厳しいのか?」

新入社員は自分が配属される視点が少しでも、安全な場所であるように色々な人から情報収集をしていました。

本来、ビジネスマンとして気にするべきなのは

どんな会社さんがクライアントなのか?」「どんな仕事をするのか?

にも関わらず、自分の配属店の話が会話のほとんどを占めていました。

今振り返ると、入社したばかりのキラキラしたはずの新卒社員が考えていることは、内向きな社内の人の話であり、ちょっと違和感を覚えます。

このとき、みんなが就活の時に銀行の面接で話した志望動機はなんだったのだろう?と思いました。

そして、例に漏れず、ぼくも「支店長が怖いかどうか?」しか気にしてなかったのは言うまでもありません。

全国3大配属されたくない支店の1つに配属

銀行の新卒研修中で一番の大きな成果は、配属予定の支店が『厳しくて有名な支店』という情報を仕入れたこと。

噂によると、数年前から厳しくて有名な支店だそうで、配属される若手社員の多くが辞めているという話でした。

そそのアイコン画像そそ

たぶんスポーツやってたっていうだけで打たれ強いと思われてる・・・・

と、いきなり憂鬱になったのを昨日のように覚えています。

自分で言うのもあれですが、とてもスポーツやってたとは思えないメンタルの弱さでした。

緊張の支店配属の初日

長い長い研修が終わり、いよいよ支店に初出社する日です。

配属された支店は駅から歩いて5分くらいで、8時から支店に入れるとのことでした。

支店の最寄駅に7時に着き、体育会の強みである”絶対に遅れないスキル”を存分に活かして、支店の近くでスタンバイ。

そして、7時40分くらいに店の前で直立不動で待機。ネクタイは窒息するくらいに締め上げ、店の前で待ってるものの、先輩が通りやすいようにドアの前は空ける。

準備は万端。

7時50分くらいになると、ぞろぞろと先輩方と思われる社員の方々が来ました。

そそのアイコン画像そそ

おはようございます!!今日からよろしくお願いします

先輩社員たちのアイコン画像先輩社員たち

よろしくー

そそのアイコン画像そそ

冷たっ!!てか声ちいさっ!

でもネタになるほど、冷たいわけではない。無視してくれたら、いっそのことネタになるのに!!でも、この感じ、逆に怖い!

先輩社員たちは新卒のぼくに無関心。普通、新卒の子が来たらもうちょっと構ってあげるだろ、いや、でも社会人はそんなに甘くないのかな・・とか思いながら不安でいっぱいでした。

自分が銀行に慣れてきた3年目くらいの気持ちから推測すると、

銀行員のアイコン画像銀行員

あーこれ今日やらなければいけないなー

銀行員のアイコン画像銀行員

会議で怒られないかなぁ?

というようなことで、先輩のみなさんは頭がいっぱいだったのだと思います。とても新入社員に笑顔で挨拶している余裕はない。

ゴリゴリの体育会系のような上下関係の厳しさがあるわけではないけど、なんとも言えない空気感と距離感がとても嫌な感じでした。この違和感が今後の銀行員人生の布石だったのかもしれません。

同期で一番最初に外回りの営業をやることに

初出社の日から約半年間は「窓口業務」を行いました。

銀行の窓口に行った際に、お姉さんたちが通帳だったり、振込だったり、受付番号取ってくれたりする業務です。

ぼくは中小企業に貸付などの提案を行う「法人営業職」での採用でしたが、入社した銀行では、新人はまず窓口業務、次に社内で融資業務、そして営業に出るというステップを踏むのが通常でした。

ぼくのいた銀行の営業のキャリア

①1年目は全員窓口業務
②社内で融資業務
③外回りの営業に出る

コミュ障だったり、ポンコツくんだったり、社内の融資業務に向いていると判断されると、営業に出ない銀行員人生が待ってるケースも大いにあり得ます。実際にそのような先輩たちはたくさんいました。

しかし、自分の場合は仕事ができるかどうかを判断される時間もないくらいに、早くから営業に出ることになったのです。

なぜなら、ぼくより1年2年先に入社した先輩たちが、みなさん退職してしまっていたからです。

「なぜ、少し早く入社した先輩がすぐに辞めているのか?」

その理由を深く考えないような性格の自分は、おそらく営業に向いていると思われたのでしょう。

同期でほぼ一番最初に営業に出たこともあって少し得意げになっていた自分の甘さに落胆するのに、そう時間はかかりませんでした。

世の中の営業と明らかに違う”銀行の法人営業”

最初に法人営業に出た時に銀行の営業の難しさというものを感じました。

明らかに他の業界の営業とは一線を画していると思います。

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銀行の営業の難しさの1番のポイントは”商品を売ってはいけない場合があること”です。

例えば、メーカーの営業では

お客さんのアイコン画像お客さん

買ってあげるよ

といってくれたら、基本的には契約成立ですよね。(原価割れなどは除く)

つまり、お客さんの了解を取れば、基本オッケーということです。

ところが、銀行の営業は、お客さんと会社(上司)の了解を取らなければいけません

会社の了解を取るには、お客さんのB/SとP/Lをもとに、論理的になぜその会社に貸してもいいのか?という説明をする必要があります。

これは他の営業職が『売る』ことが仕事であることに対し、銀行は『貸す』ことが仕事であることによるものだからですよね。

銀行の営業はP/LとB/Sが読めないと営業できないのです。

ちなみに、転職して痛感しましたが、銀行の営業は難易度が高い上に財務も分かるという強みがあります。

銀行員の方は当たり前だと思っていますが、実は非常に価値があることなのです。

営業で成績を出すためには当然、会社の決算書を理解して「貸せるか?」「貸しちゃいけないのか?」を判断しないといけないですよね。

判断の力をつけるための勉強期間が、融資の業務期間でもあります。

しかし、支店の事情で融資業務を行えず、この大切なプロセスをすっ飛ばして外回りに抜擢されたぼくは文字通り路頭に迷うことになるのです。

忘れもしない初めて法人営業に出た時のこと

忘れもしない営業初日。初日なので当然、先輩がついてきてくれたり、一緒に営業同行してくれるのかと思っていました。

しかし、朝の9時くらいに営業の先輩がみんな出ていってしまい、ぼくは支店に置いてけぼりにされてしまいました。

これは体育会的なやり方で対応すると、先輩の後を猛ダッシュで追いかけ、タオルや飲み物を渡し、

そそのアイコン画像そそ

今日は暑いのでこれを持って行って熱中症に気をつけてください!

と、一言添えた上で

そそのアイコン画像そそ

ぼくも一緒について行かせてもらっていいですか?

というのが正解だったのかもしれません。

しかし、完全に初動で遅れたぼくは1人フロアに残され、支店長といることになってしまったのです。

そして、キョロキョロしていると支店長と目が合い、ぼそっと一言。

なにしてんだよ

これまた怒鳴りつけるわけでもなく、囁くような声量でひと言。

それだったら頼むから怒鳴ってくれよ、ネタになるから。と言いたくなるような接し方なのです。

「営業とは何か?」 や「銀行の仕事とは?」は一切わからなかったけど、ここにいちゃいけないことだけは理解した新人のぼくは、とりあえず店をすぐに飛び出しました。

しかし、店を飛び出したはいいものの、「心の底から」という言葉がふさわしいほどに何をしていいのかわからない。

「そもそも営業って何をするの?」
「どこにいけばいいの?」
「なぜ周りに誰もいないの?」
「渡されたバックには何が入っているの?」

本当に何も分からなかったのです。

人生初の営業初日はひたすら時間を潰す

結局ぼくの営業初日は、おじいちゃんが朝ウォーキングするような緑道みたいなコースをひたすら3時間歩いてお昼の12時に帰社。

恐る恐る支店に戻ると、7年目の先輩が戻っていたので「これはチャンスだ!!」と思い、

そそのアイコン画像そそ

ぼくは何をすればいいのでしょうか?

と聞くと、

俺、お前のお客さん知らないから分かるわけないじゃん

そそのアイコン画像そそ

(いやそういうことではなくてですね…)

そそのアイコン画像そそ

そうですか…

この結果、午後もおじいちゃんウォーキングコースをひたすら歩くのみ。だって何していいかわからないのですから。

そして、その日は17時に帰社。次第にポツポツと社内に戻っている様子の先輩たち。

ぼくが席に座ろうとすると、そのときです。

支店長がフロア全体に聞こえる声で

おい、新人のお前ー。今日はいくら貸せたん?

そそのアイコン画像そそ

???
えっ??????
ん?????

いやいやいや貸せるわけないだろ。てか、ぼくの役目はお金を貸すことだったのですね・・・。

でも、フロア全体の視線がぼくに集まっているので何か答えないといけないと思い

そそのアイコン画像そそ

すみません、貸せてません…

銀行員の先輩を上回る小さい声で答えると、

支店長のアイコン画像支店長

え、なんで?外回り出たばっかだと数字追わなくていいって先輩が教えてくれたの?その人だれ?名前おしえて

そそのアイコン画像そそ

(すごい大きな声出るのね、あなた)

ひたすら棒立ちで10分くらい立たされ、答えのない罵声のような質問を大勢が見てる前で問いかけられる。そして、ぼくは無言の繰り返しでした。

営業に初めて出たこの日から約1年間、同じような会話を週一回の営業会議で毎週行うことなりました。

よく耐えていたな、と自分でもちょっと感心すると同時に自分自身にちょっと引いてます。環境とは怖いです。

銀行の営業をやれた人は強い

ぼくは、営業活動で辛いこと、逃げ出しそうなこと(実際逃げてました)、たくさんありましたが、営業初日の最初のインパクトが特に大きかったです。

冒頭にも書きましたが、いつも通勤の電車で営業で鬱になった人のブログやエッセイを読んで、少しだけ心が軽くなったりしました。なぜ人のブログを読むことで心が軽くなったのかは覚えていません。

いつかは自分の体験も振り返って書いてみたいと思ったので、5年の時を経て書いてます。

結局4年間、銀行の営業を行った後に2回、職場を変えたぼくですが、1つ言えることは銀行で営業をやった経験は絶対に違う環境で活かせるということです

銀行員のアイコン画像銀行員

銀行の経験なんて活かせるのかなぁ

銀行で「当たり前」のことは他の企業では当たり前ではありません。

毎日の営業活動で、お金を扱うこと、経営者と対等に話すこと、数字で考えられることなどは他の企業の営業マンではできません。

ぼくがリクルートに転職して高いポジションに抜擢頂いたのも、銀行での営業経験があったからです。

転職して外から銀行を見て感じることは、「いかに自分が小さい世界で、凝り固まった考え方に縛られていたのかということです。

しかし、ぼくがすごい勇気があって行動力があったか?と言われるとそうではありません。

同様に転職して素晴らしいキャリアを歩んでいる元銀行員の人たちも、ほんの少し何かが違えば、今でも銀行員をやっていたでしょう。

運命を分けるのは少しのきっかけと少しの行動です。

銀行員での経験がいかに価値があるものか?を是非、一度視野を広げて見てみてください。

決して転職することが正解だとは思いませんが、違う世界を見ることは絶対にした方が良いです。

その際、前述の通り、銀行の仕事は非常に特殊なので求職者を多く募集している大手エージェントはオススメしません。

金融出身者専門のエージェントに話を聞いて、銀行からのキャリアはどんなものがあるか?を知るのが良いでしょう。

ぼく自身、銀行での営業経験と転職を通じて、やりたいと思っていたベンチャーキャピタルの仕事が出来ています。

みなさんが悔いのないキャリアを歩むきっかけとなれたらこれ以上ない幸せです。

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この記事を書いた人

そそのアバター そそ 現コーポレートベンチャーキャピタリスト

元リクルート営業、元銀行の法人営業。銀行の営業では全国1位、リクルートでは3年の在籍で2回の年間表彰を受賞し、新規事業PJ立ち上げも経験。営業一筋だったキャリアから一転してベンチャー投資の世界に飛び込むまでのキャリア論を記載

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