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Saasモデルで重要な指標である「churn rate」とは?

2020 6/28

今回も「超初心者用」のベンチャー用語の勉強をみなさんと一緒にしていきたいと思います!

この記事で取り上げるのは、サブスクリプションモデルのビジネスの運命を左右する「churn rate」についてです。

一見、非常に簡単に感じるのですが、実は奥が深くて、適切なKPI設定をするのが非常に難しい指標でもあります。

まずは基礎の基礎を学ばないと意味がありませんので、ベーシックな部分を一緒に学んでいきしょう。

この記事を書いた人

・新卒で銀行に入社(not メガバンク)4年間を法人営業に捧げる
・銀行を退職し、7ヶ月間のニートになる
・リクルートの営業職として中途入社し、1年後には50人の営業リーダーに
・3年間のリクルート営業生活を経て、ベンチャーキャピタリストに転身

目次

「churn rate」 とは?

ずっと営業マンをしてきた自分が、VC(ベンチャーキャピタリスト)の仕事についた時

投資家のアイコン画像投資家

その企業の”チャーン”てどのくらいなん?

こんな言葉が部署で飛び交っていました。

普段「チャーン」と略されて使われる、この言葉はチャーンレート(churn rate)」と呼ばれ、顧客離脱率、解約率を意味しています。

チャーンレートはSaas モデルでは非常に重要な指標であり、投資家としても必ずチェックする項目です。

なぜ「churn rate 」が重要なのか?

近年のビジネスモデルの中心であるサブスクリプションモデルですので、途中で解約されてしまうとビジネスとしてスケールしていきません。

ビジネスマンのアイコン画像ビジネスマン

解約率が低い方が良いなんて当たり前でしょ

一般的な感覚として、解約率が重要だということは想像できますが、他にもチャーンレートが重要視される理由があります。

・サービスの価値を測れる
・事業の予測ができる

サービスの価値を測れる

これは起業あるあるなのですが、起業家本人が「天才的なアイディだ!」といって、誰からも必要とされないサービスを作ってしまうことがよくあります。

そこまでひどくないにしても、やっとの思いでサービスを立ち上げたばかりの超初期のスタートアップの場合で考えてみましょう。

例えば、大量の広告費をかけて、一気に会員獲得したり、知り合いに必死に声をかけて、一時的にユーザーになってもらったりした際に、「どのくらいの期間使ってもらえるか?」「価格設定は適切か?」を”チャーンレート”で測ることができます。

友人Aのアイコン画像友人A

友達だからサービスを使ってみたけど、あまり使い勝手が良くないなぁ

チャーンレート(解約率)が「90%」だったら、明らかにサービスとして必要されていないですよね。

必死に声をかけて、知り合いの10人が一時的にサービスに加入してもらっても、翌月には9人が解約していたら、大きな改善をしなくてはいけません(ちなみに実際には結構あります。w)

一方で、価格をちょっと下げたら、チャーンレートが劇的に下がったりしたら、「この価格設定ならば、サービスとして必要とされるんだな」ということが分かります。

このように、価格や機能を変えることで、どのくらいのチャーンレートになるか?を検証し、サービスのニーズを知ることができます。

事業の予測ができる

スタートアップには乗り越えるべき問題がたくさんありますが、根幹となるのが「事業計画」です。

事業計画を作らないと、投資家から資金を募れないだけでなく、サービスにどのくらいの費用をかけていいのか?の判断もできません。

そこで、重要な役割を果たすのが、チャーンレート(Churn rate)です。

過去の解約率をしっかりと把握しておくことで、将来の事業予測が可能になり、資金計画や販売予算などを立てることができますう。

実は奥が深い?「churn rate」

若手ビジネスマンのアイコン画像若手ビジネスマン

え、めちゃくちゃ簡単じゃん

ここまでの知識で、調子にのって「チャーン」という言葉を使っていると、界隈の人たちからは一瞬でやられます。笑

「チャーンレート」は非常に奥が深く、よく言われるのが4つの種類があると言われます。

いきなり4つに分けると意味不明なので、まずは2つの「チャーンレート」について、説明します。

Customer Churn rate

Revenue Churn rate

「Customer Churn rate」 と 「Revenue Churn rate 」

この2つの違いは、解約率といっても「金額の話なのか?」「顧客数の話なのか?」ということです。

極端な例ですが、A社とB社にサービスを利用してもらっていて、A社が売上の90%を払ってくれてたとします。

翌月にA社が解約した場合、『顧客数の解約率(customer churn rate)』は50%ですが、『売上の解約率(Reveue churn rate)』は90%になります。

この状況は、企業としては結構目も当てられないような状況ですが、

若手起業家のアイコン画像若手起業家

チャーンレートは50%です

と言えてしまうんですよね。Customer Churn rate で語ると解約率は50%なのは嘘ではないですから。

投資家のアイコン画像投資家

それは「Customer Churn」 と 「Revenue Churn 」のどちらですか?

という指摘をしないといけません。反対に、起業家の方は「何のチャーンレートか?」をしっかりと伝えないと、事業のステークホルダーとのミスコミュニケーションが起きてしまいます。

「Customer Churn rate」 と 「Revenue Churn rate 」の違いについて記載してきましたが、ここから更に2つの種類に分けられるのです。

こんなイメージです

Customer Churn rate も2つに分けられる

「Customer Churn rate」 の中にも、「顧客数」と「企業数」を分けて考えることがあります。

企業向けのツールをSaasビジネスとして展開している場合で考えてみましょう。

この場合、前月のユーザー数は、企業数でカウントすると、””ですが、顧客数としてカウントすると、”5”あります。

例えば、店舗展開しているアパレル会社に対して、ツールを導入してもらい、A社の4店舗で利用してもらっているようなケースが考えられます。

ところが、仮にA社が解約した場合、企業数としてのチャーンレートは50%ですが、顧客数(アカウント)としてのチャーンレートは80%になります。

Revenue Churn rate

「Customer Churn rate」よりも分類のイメージがつきづらいのが、「Revenue Churn rate」です。

金額ベースの解約率を考える時に、「グロスなのか?」「ネットなのか?」という考え方によって結果が異なります。

Gross Revenue Churn rate・・・失った金額のみ(失った金額)

Net Revenue Churn rate ・・・増えた分も考慮する(失った金額  ー 増加分)

例えば、解約が発生して、前月より20%の売上が減ったとします。

しかし、既存顧客の中から、月々1,000円のAプランから月々2,000年のBプランに変更した人が数名でたおかげで、結果的に前月からの売上の減少率が10%だったとします。

この場合、「Gross Revenue Churn rate」は20%であり、「Net Revenue Churn rate」は10%になります。

「Gross Revenue Churn rate」は単純に解約した割合、「Net Revenue Churn rate」は増加分を考慮した解約率です。

Saasモデルは継続してカスタマーとの接点があるので、より高いプランへの変更や、サービス内の他の商品を買ってもらえる可能性が高いです。

そのため、解約率よりも既存顧客からのクロスセルやアップセルで売上を増やすことで、「Net Revenue Churn rate」を低く抑える、時には「Churn rate」をマイナスに(解約した金額よりも増えた金額の方が多い)することができたりします。

「chrun rate」はどのくらいがいいの?

転職希望者のアイコン画像転職希望者

結局、Churn rateはどのくらいだったらいいの?

これを正確な数値を持って回答することは難しいです。

なぜなら、サービス提供している業界やターゲットにしている会社規模、自社の成長フェーズなどの様々な変動要因によって、相場が変わってくるからです。

これからご紹介する数値は、ある程度セグメントされた中での相場観として、参考程度にしていただければと思います。

Customer Churn rateの大体の相場

調査データは様々あるのですが、よく使われたり、多くのVCの人が参考にしているデータとして、以下のものがあります。

まずは「顧客数」であるCustomer Churn rateについてです。

参考元:The Innovator’s Dilemma for SaaS Startups

SMB とは日本でいう中小企業のことで、Churn rateは月次で『3-7%』、年単位で『31%-58%』となっています。

一方、大企業向け(Enter prize)ですと、月次で『0.5-1%』、年単位で『6%-10%』となっています。

中小企業はサービスを乗り換えるコストが低く、サービス提供側からしたら、あまり計算できない存在です。(それだけ最初の獲得難易度も低いです)

営業難易度は高いですが、いかに大企業を取り込めるか?が売上のインパクト的にもchurn rate的にも重要ですね。

SMB customers tend to go out of business more frequently than bigger businesses. They switch products more regularly because switching costs are low. They simply aren’t as reliable customers as bigger companies. So they churn, and churn inhibits a business’s growth, and demand the business invest more capital to continue growing at the same rates.” 出典元:The Innovator’s Dilemma for SaaS Startups

一応、他の参考記事も見てみましょう。

参考:For Entrepreneurs

収益2,500万ドルの以下の企業を除いた、Customer churn rateの中央値は8%だそうです。

収益2,500万ドルというと、かなりの規模のサービスですが、自社サービスの改善をする際にも、このあたりのCustomer churn rateを参考にしていただければと思います。

Revenue Churn rateの大体の相場

次に「金額」の解約率であるRevenue Churn rateについて見てみましょう。

参考:For Entrepreneurs

こちらの数値は、『Anual Gross Churn』なので、アップセルやグロスの数字は含んでいません。

金額ベースでもchurn rateは6%となっています。

顧客ベースでも金額ベースでも、5〜10%くらいが相場になっているのかもしれませんね。

今回はSaasビジネスで重要な指標であるChurn rateについて簡単にご説明しました。

Saas でなくても、ジムやヨガ教室でサブスクリプションモデルでサービス提供する際にも使える考え方なので、何かの参考になれば幸いです!

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この記事を書いた人

そそのアバター そそ 現コーポレートベンチャーキャピタリスト

元リクルート営業、元銀行の法人営業。銀行の営業では全国1位、リクルートでは3年の在籍で2回の年間表彰を受賞し、新規事業PJ立ち上げも経験。営業一筋だったキャリアから一転してベンチャー投資の世界に飛び込むまでのキャリア論を記載

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