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リクルートは営業職なのに何故「コンサル営業」と呼ばれるのか?

2020 5/19
リクルートは営業職なのに何故「コンサル営業」と呼ばれるのか?

リクルートの営業職て、要はただの営業でしょ?

求職者のアイコン画像求職者

リクルートって人材の会社ですよね?

リクルートへの転職に興味を持った人からこんなことをよく言われます。

よく名前は聞くけれど、「リクルート」がどんな事業をしているのかを正確に知っている人は少ないのではないでしょうか?

『リクナビ』のイメージが強く、人材系の会社の印象だったり、サービスや事業が多岐に渡っているので、実際に何をやっているのかわかりづらかったりしますよね。

また、「リクルートの営業!」と聞くと、なんだか体育会的なノリですごい働かないといけなそう・・というイメージがあります。

転職前のぼくも全く同じ印象でした。

転職活動をしている時に、リクルートの情報を集めていたのですが、PV獲得狙いの内容が乏しい記事や、転職エージェントが集客目的で書いている記事ばかりで、「リクルートの実態」は最後まで分かりませんでした。

入社して数年経つ今でも、『リクルートで働くこと』について本質的に理解できる内容がないと感じており、それがこのブログを書いている理由です。

中でも、特にこのような内容のものはあまり参考になりません。

転職エージェントのアイコン画像転職エージェント

リクルートって「〇〇だよ」

なぜなら、「リクルート」はサービス毎に会社が分かれており、会社や部署によって対峙する市場環境が異なっているからです。それによって、現場の営業で必要とされるスキルや身につく経験が異なります。

もしあなたがリクルートで働くことに少しでも興味があるのならば、各社の事業領域や現場の営業が行う業務をしっかりと理解しないと、自分自身が行いたい仕事や身に付けたいスキルとは程遠い業務を行うことになるかもしれません

しかし、リクルートの会社がいくつもあり、営業スタイルも微妙に違いがあるものの、「リクルートの営業」には共通していえることがあります。

これだけの規模でありながら、リクルートの営業とは?の共通項があることが、リクルートが大企業になっても成長を続けている要因でしょう。

それこそが、リクルートで営業を経験した、多くの人がキャリアアップしていく理由だと考えています。

コンサルとリクルートで迷った挙句、リクルートに入社することを決め、実際に営業職として働いていたぼくが解説してきます。

この記事を書いている人
  • 新卒で銀行に入社し、4年間法人営業に従事
  • 銀行を退職し、7ヶ月間のニートを経てリクルートの営業として中途入社
  • 入社して1年後に50名の営業リーダーに着任
  • 3年後の営業経験後にベンチャーキャピタリストに転身
目次

リクルートが展開する事業には大きく分けて2つの領域がある

リクルートは人材業界から発足し、今では様々な分野に展開をしてきました。
以下はリクルートのホールディングスの決算方向で事業セグメントについて説明している資料を抜粋しています。

株式会社リクルートは、2012年の分社化に伴い、事業会社と機能会社から構成されるグループ体制となりました。事業会社については大きく2つの領域に分かれます。

リクルートの事業領域は、主にこの2つ
・HR(人材)領域
・販促領域

それは人材領域(HR)販売促進領域(メディア&ソリューション領域)です。上記のIRでは人材領域を「HRテクノロジー事業」と「人材派遣業」の2つに分けて、計3つのセグメントで展開していると説明しています。

人材領域では「リクナビエージェント」「Indeed」などが有名です。販売促進領域ではゼクシィやスーモ、じゃらん、ホットペッパーなどがあります。

人材領域
  • 株式会社リクルートキャリア(人材)
  • 株式会社リクルートジョブズ(求人媒体)
販促領域
  • 株式会社リクルート住まいカンパニー(不動産)
  • 株式会社リクルートライフスタイル(飲食、美容)
  • 株式会社リクルートマーケティングパートナーズ(ブライダル、進学)

リクルートの事業領域と営業マンに求められるスキルの違い

この2つの領域の大きな違いは、リクルートの売上がクライアントからすると、どのコストになっているか?です。大きな概念だけをご説明します。

人材領域においては、クライアントにとって採用するためのコストを頂戴しています。

一方、販売促進領域においては、クライアントの広告費を頂いています。

例えば、飲食店はホットペッパーにコストを払うことで集客をしています。

せっかく多くのコストをかけて頂いても、お店に訪れる人が増えなかったら無駄なコストになり業績が傾いてしまいます。

つまり、クライアントの売上に直結するためのコストを頂いているのです。

・人材領域の売上はクライアントの採用費

・販促領域の売上はクライアントの広告費

ぼくは銀行の業務を経て、次の職場ではクライアントの業績に直接的にコミットできるような仕事がしたいと思っていました。

転職活動中はコンサルを中心に中途採用試験を受けており、最終的にはコンサル会社とリクルートのどちらかに行くか迷っていましたが、最終的にリクルートの販促領域の会社に決めたのは、より経営にコミットしなくてはいけない環境だと感じたからです。

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リクルートの販促領域の業種は広告業です。つまり、リクルートの営業は、いわば広告営業マンです。

広告の営業マンにも関わらず、なぜ経営にコミットすることが求められるのでしょうか?

リクルートの販売促進領域の営業職はコンサル業?

なぜ、リクルートの販促領域の営業はコンサル営業と呼ばれ、コンサル業界との人材の流動性が高いのでしょうか?

理由は大きく2つあると思います。

・リクルートの各サービスが持つ圧倒的なブランド力
・営業マン1人1人がいち経営者のリクルートの文化

リクルート各社サービスのブランド力

リクルートの販促領域の各社が展開しているサービスは前述の通りです。

・株式会社リクルート住まいカンパニー SUUMO
・株式会社リクルートライフスタイル ホットペッパー、じゃらん
・株式会社リクルートマーケティングパートナーズ ゼクシィ、スタディサプリ

みなさんも名前を聞いたことがあるサービスばかりですよね。

リクルートは自社ブランドの認知を上げるための施策を色々とやっており、各業界で一定の知名度があります。実はこれが大きなポイントです。

普通の営業マンであれば、

営業マンのアイコン画像営業マン

競合他社よりも自社の商品の方が優れていますよ。

という営業をしなくてはいけません。

例えば、Webメディアの営業マンであれば、

IT系営業マンのアイコン画像IT系営業マン

うちのサイトは月に〇〇PV見られていて、若い20代の人によく見られております。だから、御社のような若いビジネスマン向けの商品を展開している会社様には・・・

みたいな、自社商品の説明をする形の営業が必然的に多くなりますよね。

一方で、リクルートのように圧倒的なブランドを持ったサービスの営業マンであれば、わざわざ他社商品と比較して、自社商品の細かい説明をする必要性は少なくなります

広告費を増やしてもらうための経営改善提案営業

繰り返しになりますが、リクルートの販促領域の売上は、クライアントの『広告費』によって成り立っています。

ゼクシィに払うお金は結婚式場にとって集客のためのコストであり、じゃらんは旅館やホテルにとって宿泊者を確保するためのコストです。

広告費というのは企業にとって最も業績に連動するコストになります。

業績が良ければ、広告費に大きな予算が割かれ、業績が悪くなると企業は広告費を圧縮して利益を調整します。

業績が悪いからといって、人件費やオフィス賃料を急に下げたりできませんよね。だから、コストカット対象として、広告費が真っ先にあがるのです。

前述の通り、リクルートの各領域におけるメディアサービスの強さは他の追随を許さないくらいのポジションを取っています。

これはつまり、クライアントの広告費予算自体を確保できれば、自動的にリクルートのサービスに予算が振り分けられることを示しています

クライアントに広告予算を取ってもらうためには経営状態が良いことが絶対条件なので、リクルートの現場の営業マンは少しでもクライアントが儲かるためのありとあらゆる提案を行うのです

従業員みな経営者というリクルートの企業文化

銀行からリクルートに転職した時には、営業の考え方の違いに驚きました。

前職の銀行では数字を上げてさえいれば、特に何かを言われることはありませんでした。

銀行営業マンのアイコン画像銀行営業マン

お客さんにお願いして、〇〇円借りてもらいました!

支店長のアイコン画像支店長

よくやったな!

数字という結果を出せば、基本的には評価されます。これは他の大企業の営業でも同じなのではないでしょうか?

しかし、リクルートでは”営業数字を上げれば何でもいい”という考え方はありません

リクルート上司のアイコン画像リクルート上司

それってお客さんのためになってるの?無駄なコストになってない?

自分の行なった提案がお客さんにとってどんな価値があるか?を求められます。リクルートでは、「どんなことをしても数字を達成した人がすごい!」みたいな考え方はありません。

お客さんの商売全体を把握し、営業マンとして何ができるか?その結果として、自分の営業数字が求められるのです。

ご存知の通り、リクルートを経験した人の中から数多くの起業家が生まれています。

宇野康秀(株式会社USENの代表取締役社長
千葉功太郎(株式会社コロプラ元代表取締役副社長)
杉本哲哉(株式会社マクロミル創業者)
堤天心(株式会社U-NEXT代表取締役社長)
平尾丈(株式会社 じげん)
古川健介(株式会社nanapi)
経沢香保子(トレンダーズ株式会社)・・・・

と、挙げきれないほどの人材を輩出しているには必ず理由があります。

リクルートには、大企業になった今でも脈絡と続いている企業文化があります。

以下はリクルートの創業者の江副さん著の「リクルートのDNA 起業家精神とは何か」の一部抜粋ですが、現在でもこの精神が受け継がれていることを感じます。

・私はリクルートのPC(プロフィットセンター)制を「社員皆経営者主義」と呼んだ。私の退任時、PCは500ほど、グループ会社のPCも加えると600を越えていた。そのような形の「社員皆経営者主義」で社内に経営者が育ち、リクルート自身も高い業績を上げるようになっていった。

リクルートのDNA 起業家精神とは何か

リクルートの営業職に求められるもの

リクルートの営業マンがクライアントの業績に貢献するための方法は様々です。

メディアの広告枠や掲載枠を買ってもらう営業とは思えないほど、千差万別な方法があります。

同じクライアントを担当しているのに、前任と後任の担当者で行う提案が全然違う、ということは頻繁に起きます。

例えば、業績を上げるための取り組みの一例として、クライアントの営業マンの成約率を上げる取り組みを行うことが挙げられます。

リクルートが提供している広告メディアでは、サービスブランドと広告精度を上げることで、送客するお客さんの量と質を上げること出来ますが、最後に成果になるかどうかはクライアントの営業次第です。

リクルートのサービスはあくまで広告であり、送客することが主な価値だからです。

例えば、ゼクシィという媒体を使って「結婚式を行いたい人」をたくさん送客することは出来ますが、その結婚式場のスタッフの接客の対応が悪かったり、お客さんのニーズと違う結婚式を提案しては成約に結びつきません。

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リクルートのメディアでたくさんのお客さんを送客しても、クライアントの営業マンが契約できなければ、クライアントの利益は上がらず、広告予算も増えることはありません。

だからこそ、クライアント企業の営業社員向けに「成約につながる接客方法」や「顧客ニーズを捉えた提案の仕方」などの勉強会をリクルート営業マンが行うのです。

他にも、業績貢献するために、先方の会社の人事制度を変えてしまったり、商品企画に関与し、クライアント企業の新商品を開発したりする営業マンもいます。

クライアントの業績に貢献する方法として、「自社サービスで収集したデータをもとにクライアントに提案する」事例を1つあげてみたいと思います。

リクルートの営業マンが行う業績貢献の事例

リクルートの販促領域のサービスの中でも、歴史が古い「suumo」という住宅のポータルサイトがあります。

例えば、あなたがsuumoの営業マンであれば

suumo営業マンのアイコン画像suumo営業マン

なんとかsuumoに掲載してください、お願いします・・

のような営業をすることはほぼありません。

なぜなら、これまでご説明したように不動産会社からしたら「家を売りたい」時には、一番強力な広告手段だからです。

リクルートの営業マンに求められるのは、クライアントが広告費を使ってくれる状態にしておくことです。

不動産会社のアイコン画像不動産会社

うちは今期はもう業績が悪いから広告費を使えません

クライアントが儲かっている状態をキープし、suumoに広告して頂くようにしなければなりません。

その中の1つの事例として、世の中の家を買いたいお客さんのニーズを捉えて「どんな家を作ったら良いか?」を提案したりします。

suumo営業マンのアイコン画像suumo営業マン

suumoが調査した住宅購入者アンケートによると、20代の共働き世帯の住宅ニーズは〇〇なので、〇〇な住宅を今後建築していくのはどうでしょうか?

自社で集めたデータを細かく分析してターゲットを決めたり、競合と比較してクライアントの強みをあぶり出し、今後の商品提案をしていきます。

マーケティングでもあり、経営観点での視点での提案だったりと、実に多様な面からの提案が求められるのです。

リクルートのコンサルティング営業を通じてキャリア形成

クライアントの経営を良くするために、ありとあらゆる手段を使ってご提案して行くスタイルだからこそ、リクルートの営業職はコンサル営業と呼ばれているのではないかと思います。

もし、みなさんが今の会社で営業をやっていて

若手社員のアイコン画像若手社員

自社の製品を売るだけでなくて、もっと色々な提案をしたい

経営に直結するような営業をしたいなぁ

と思うのであれば、リクルートの販促領域の営業を経験してみるのもいいかもしれません

冒頭にも示したようにリクルートの各社はその時々で戦略や業界におけるポジショニングが変わるので、リクルートに詳しいエージェントでないと詳細に状況は分かりません。

ぼく自身、将来は経営に携わる仕事がしたいと思っており、広告営業には全く興味はなかったのですが、リクルートで営業を通じてスキルとキャリアアップをすることが出来ました。

リクルートの営業で実績を残したことで、外部からも良いオファーを頂いたり、何より自分の夢だったVC(ベンチャーキャピタル)の仕事につくことができました。

転職せずに銀行でずっと働いていたり、他の営業をしていたら、絶対にこのチャンスはもらえませんでした。

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リクルートの販促領域における営業は「広告の営業」ではありません。

もし、リクルートで広告営業をしている人がいれば、それはクライアントに踏み込めない営業を自身でしているのだと思います。ただの広告営業をしている会社が、起業家をたくさん輩出できる訳ないですもんね。

最初にも述べたように、リクルートについての転職は人気があるため、多くの転職エージェントや転職サイトが集客目的で色々な情報を流しています。

僕自身の体験談として、情報に振り回されたので、このブログがリクルートに転職したい方の参考になることを願っています。

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この記事を書いた人

そそのアバター そそ 現コーポレートベンチャーキャピタリスト

元リクルート営業、元銀行の法人営業。銀行の営業では全国1位、リクルートでは3年の在籍で2回の年間表彰を受賞し、新規事業PJ立ち上げも経験。営業一筋だったキャリアから一転してベンチャー投資の世界に飛び込むまでのキャリア論を記載

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