
銀行からの転職先てどこがいいんだろう・・・
銀行の仕事はかなり特殊なので、転職するときにはどのような軸で活動をしたら良いか分からないですよね。
ぼく自身、4年間勤めた銀行を退職した際には「次はどんな仕事にしようか?」「これからどんなビジネスキャリアを歩めばいいのか?」非常に迷いました。
・新卒で銀行に入社(not メガバンク)
・4年間法人営業を行った後、転職先を決めずに退職
・7ヶ月間ニート生活で誰よりも転職活動に時間を費やす
・リクルートに中途入社し、3年後にはベンチャーピャピタリストに転身
・銀行の知識を活かし、副業で財務と経営のコンサルタントを行う
自分の場合は、退職してから7ヶ月間のニート期間があり、転職候補先の業界研究や業務内容についてはじっくりと調べたので、「銀行からの転職での失敗のリスク」を抑えることが出来ましたが、元同期や友人の中には、

もっと違う会社に転職すればよかった・・・
と、後悔している人がたくさんいます。
銀行からの転職で失敗する人の多くは転職ブログの情報をそのまま鵜呑みにして何も考えずに転職しているという共通項があります。
ぼくが転職活動をしていた時も、様々な『銀行員からの転職!』みたいな記事を読みましたが、記事を書いている人のキャリアを全く羨ましいと感じませんでした。
・ただのブロガーや、銀行出身ではない人
・銀行から明らかにキャリアダウンしている人
・集客のために書いているエージェント
本業の仕事はそこそこで、「とりあえず銀行から辞められればOK」なのであれば、このような記事は参考になるかもしれません。
しかし、ぼくは多くの時間を費やす仕事でも充実感を味わいたかったので、彼らの記事は参考にはしませんでした。

銀行員の時の経験を活かして、仕事でもやりがいを感じたい!
と考えているのであれば、ぼくの記事は参考になるかもしれません。
銀行を退職後に2回も職場を変えた自分だからこそ分かる、「銀行からの転職で後悔しないためには?」を解説していきたいと思います!
銀行の仕事で身につく経験とスキル
銀行員の方が転職を考えるときに多くの方が必ず言う言葉があります。

銀行員での経験なんて他の企業に行っても活かせるのかなぁ・・
結論からお話しすると、銀行員での経験は他の企業でも大いに活きます。
実際に若い銀行員の方は転職市場では高い評価を受けることが一般的です。
転職市場では年収もUPして転職することも可能です。
では、なぜ銀行員は高い評価を受けることが出来るのでしょうか?
銀行員が持っている他の企業でも活かせる経験とスキルは、以下の3点だと考えています。
・多くのステークホルダーとの調整能力
・ビジネス数字に強くなる
・意思決定者との交渉能力
それぞれについて解説していきます。
多くのステークホルダーとの調整能力
銀行で働いていると、年功序列の文化が厳しく、色々な人に気を遣いながら働かなくてはいけません。

支店長に見せる前に課長に先に話をして、その次はえ〜っと・・・
実際に働いている時は、「こんなことやってて意味あるのかな」と思いますが、この経験は意外にも他の企業でも大いに役立ちます。
特に法人営業をやっていて融資案件を実行するための稟議承認のプロセスでは、社内の複数人に加えて、お客さんとも利害関係を調整しないといけません。
銀行に希望と、お客さんの希望は基本的に噛み合いません。その中で営業マンの立場として、全員の妥協点と落とし所を見つけて、案件をクロージングするスキルは非常にレベルの高いスキルです。
銀行のように1つの案件を通すために、あれだけ多くの利害関係者がいる営業も珍しいですが、銀行で培った『様々な人の気持ちを汲み取る力』は多くの場面で活きます。
銀行からリクルートに転職して活かせた事例
例えば、ぼくが銀行から転職したリクルートという会社は非常にフラットな組織文化で、新卒でも中途でも好き勝手発言できる風土があります。
このような組織風土のため、組織運営や社内手続きや会議が非常に効率化されています。
しかし、ぼくたちが対峙しているクライアントは銀行のような旧体質の組織文化の企業が多かったりします。
新卒でリクルートに入った人達に多いのが、このような企業で働いている人の気持ちが分からないということです。

あんなに上司の人の意見を聞いたり、無駄な事務作業を何であんなにやっているのだろう?
もしくは、自分の提案を通すために、いきなり意思決定者に話をしに行ってしまいトラブルになったりすることもあります。

何で俺を通さずに急に社長に提案に行くんだ!!?
銀行のように、年功序列で上下関係が厳しく、お客さんも百戦錬磨の社長さんを相手にしている仕事をしていると、知らぬ間に『地雷を察する力』がついていきます。
ビジネス数字に強くなる
銀行で働いて身につくスキルの代表例でもある『数字に強くなる』は転職した後も非常に重要なスキルです。

銀行で働いているけど、数字に自信はないんだよなぁ・・
『数字に強い』というのは、「計算が早い」ではありません。
日々の仕事の中で数字を使うことに慣れている、ということが重要なのです。
例えば、普通の営業マンであれば

この商品を〇〇個売ったので、売上は〇〇円です。
のように、自分が担当する商品の売上でしか数字に触れる機会はありません。
しかし、銀行員の場合、お客さんの日々の決済を初め、運用商品の利率や期間など多くの場面で数字で説明することが求められます。
何より、法人営業の場合、決算書を読むことが出来ますよ。実はこれはとても大きなことなのです。
ぼくも転職した後に感じましたが、世の中の営業マンや管理職でちゃんと決算書を読める人はほとんどいません。
数字はビジネスの共通言語です。
日々の仕事の中で数字を扱っている銀行員の感覚は転職しても評価されるものです。
意思決定者との交渉能力
銀行は普段から提案する相手は経営者やそれに近しい立場の方ですが、他の営業ではそんなことはまずあり得ません。
例えば、メーカーの営業であれば代理店の販売担当ですし、広告の営業であれば販売担当の方が提案相手になります。
実はぼくが銀行からリクルートに転職した際に、一番ギャップがあったのはこの点でした。
銀行の時は社長相手に会話をしていたので、刺激的な話や緊張感溢れる場面も多かったのですが、リクルートに入社したての頃は提案相手がいち販売担当でした。

うちの上司に聞いてみますので、また連絡しまーす
意思決定者ではないので当然、その場で決断も出来ないですし、会社によってはサラリーマン感がすごいので拍子抜けしてしまった、というのが正直な感想です。
リクルートは社長にアプローチすることを求められる文化ですが、他の企業では、提案相手が常に一般社員ということは多々あるでしょう。
普段から高いレイヤーのお客さんと話すことに慣れていて、かつ、『お金』という重要なものについて、難易度の高い提案をしていることで、銀行員は知らない間にレベルアップしているのです。
銀行からの転職を考えるときの軸
銀行で働いたことによって、身についている経験、スキルは以下の通りです。
・多くのステークホルダーとの調整能力
・ビジネス数字に強くなる
・意思決定者との交渉能力
では、これらを踏まえて転職を検討する際にはどんなことに注意すればいいのでしょうか?
銀行から転職して、ビジネスキャリアも年収もUPさせることを前提に解説します。
・日々の業務で接するクライアントのレイヤーは?
・経営にインパクトのある仕事か?
・自分が扱う商材は何か?
日々の業務で接するクライアントのレイヤーは?

前述の通り、銀行は仕事柄、普段からやりとりをするお客さんは経営者が中心です。
経営者と従業員は能力の点でも、視座の高さの面でも大きな違いがあることは言うまでもありません。
銀行員の方が転職する際に「誰と会話する仕事か?」を甘くみてはいけません。
銀行のように常に話す相手が「社長」ということは難しいかもしれませんが、出来るだけ高いレイヤーの人に提案する仕事をすることをオススメします。
なぜなら、提案相手が経営者から裁量の低い社員に提案することになることで、自分自身のモチベーション低下にも繋がりますし、何よりその後のキャリアにおいて市場価値が低くくなる可能性があるからです。
ぼくが就職活動をしていた当時の三井不動産の採用メッセージは、「人は人によって磨かれる」であり、この言葉にとても共感したことを今でも覚えています。
そして社会人歴を積めば積むほど、その言葉は本質的だったと感じます。
ぼく自身も、銀行から次の仕事に変えるときにもやはり、経営者を相手に仕事が出来る業務が良いと考えていました。
経営にインパクトのある仕事か?
銀行の法人営業の場合、会社の決算書を見て融資の提案を行います。
これはまさに会社の経営に関わる提案であり、クライアントからしたら非常に重要な問題です。
しかし、世の中の営業や提案には、会社の経営においてそこまで重要なものではないものが沢山あります。
例えば、あなたがコピー機の営業をしていたとしたら、提案する相手はおそらく経理担当の方であり、競合から自社のコピー機に変えてもらったところで、その会社の経営にはあまり関係ありません。
銀行から転職して後悔する人の例として、「クライアント全体像が見えない」とか「会社の一部に対して提案している」というように、クライアントに対して、自分が関わる範囲の狭さにやりがいを感じられなくなってしまうケースがあります。
やりがいが感じられなくなるだけではなく、その次のステップとしての市場価値も低くなりやすいです。
①銀行員→経営に関して営業提案
②転職後→会社の1部分に対して営業提案
20代半ばで転職した場合、次の転職活動時にはおそらく30代になるでしょう。その時に前職よりもクライアントの業績にインパクトが弱い営業をやっていれば、市場価値が下がるのは当然ですよね?
目先の年収や仕事内容だけではなく、長い自分のビジネスキャリアを視野に入れることが重要です。
無形商材を扱う仕事
銀行は”お金”という無形の商材を扱い、クライアントに提案することが一般的です。

ウチの商品はどの競合他社よりも優れています!!
なんて言えないですよね?
融資する際には金利もほぼ一緒ですし、運用の利率も銀行によってはほとんど変わりません。
実はこれは転職市場においては非常に評価されるポイントなのです。
競合との商品が差別化されていない状況で、いかに工夫してお客さんに購入してもらうか?という営業スタイルは重宝されます。
反対に、自社の商品やサービスが強すぎる場合だと、良い営業実績を出したとしても

それはあなたの営業力によるものなのですか?
となってしまいます。
そのため、転職市場でも厳しい見られ方をしたり、場合によっては書類すら通らないこともあります。
銀行という無形商材からの転職だからこそ、注意が必要です。
銀行から転職するときの注意点
銀行は他の営業と異なり、身につくスキルも業務内容も非常に特殊です。
だからこそ、自分自身で「銀行で学んだことは?」「経験を生かすためには?」を自分自身でしっかりと考えなくてはいけません。
特に転職を検討するときには注意が必要です。
一番ダメなパターンは大手の転職エージェントだけに登録するのは絶対にオススメしません。
なぜなら、大手エージェントは銀行員という特殊な経験の理解も浅く、転職者全員に言えることしか教えてくれないからです。
銀行員の良さや今後のキャリアプランにフォーカスしてアドバイスをしてくれることが期待できません。
銀行員が他のビジネスマンと同じような転職活動をしたらもったいない
銀行からの転職は特殊であることを認識する

じゃあ銀行員から転職するときにはどうしたらいいのだろう?
銀行からの転職には、銀行員のスキルや経験、今後のキャリアプランへの深い理解がないと転職のサポートはできません。
多くの銀行員が転職を失敗する根本の理由は、面接の内容でもなく、銀行での高い実績でもなく、『転職の仕方』です。
・自己分析と銀行での仕事の棚卸し
・銀行員ならではのキャリアパスの構築
・銀行員ならではの強みを整理
・自分の強みとキャリアプランに合う求人にエントリー
これら全てを、日々の業務の中で大量の求職者を相手にしている大手のエージェントが対応できると思いますか?
当然、答えはNOです。
そこで、これらを包括的にやってもらえるエージェントがこちらです。
マイナビ金融AGENT
こちらは、金融出身者のみで構成された転職エージェントチームです。
当然、銀行員からの転職実績も多く、銀行員ならではのキャリアプラン事例や面接での伝え方や、サポート体制が充実しています。
銀行からの転職に対して、同業種への転職にも、異業種への転職にも幅広く提案してくれます。
まだ転職の意思が固まっていない人は?
銀行に居続けて30歳を超えると、同業種への転職しか選択肢がなくなってくるので、1度は自分のキャリアプランについて真剣に考えることをオススメします。

でもまだ転職活動をするのはなぁ・・・
そんなときにオススメなのが、こちらの転職エージェントです。
Tanpan.CO

リクルート出身の方が立ち上げたサービスで、「求人ありきではない」転職相談サービスです。
キャリア全般についてのアドバイスをくれるので、まだ転職を始めたくはないけど、ちゃんとキャリアについて考えたい!という方は、一度相談した方が良いと思います。
まとめ
ぼくは、いろいろなことが重なって銀行を辞めることになり、運よくやりたかった仕事につけているので良かったのです。
銀行時代の同期は、銀行に残ることを決断した人、銀行から転職した人、それぞれにおいて後悔している人はたくさん居ます。
必ずしも転職をすることが良いわけではありませんが、『自分のキャリア』について真剣に考えることは間違いなく必要です。
この記事が皆さんのビジネスキャリアによってプラスになり、良いキャリアを歩まれることを心から願っています。
コメント