
銀行はオワコンなので退職します!
銀行員時代の同期や先輩の多くが銀行を退職して公務員になったり、他の企業へと転職していきました。
未だに働いている元同期や先輩たちの多くも「辞めたい」と言っているのをよく耳にします。
銀行員の退職理由として多いのが以下の理由です。
・ノルマが厳しい
・銀行でのキャリアが見えない
・仕事にやりがいがない
しかし、実はぼくが銀行を退職した理由はこれらではありません。

このひと誰だろう・・・
と思われると思うので、先に自己紹介をしておきますね。
・新卒で銀行に入社(not メガバンク)4年間を法人営業に捧げる
・銀行を退職し、7ヶ月間のニートになる
・リクルートの営業職として中途入社し、1年後には50人の営業リーダーに
・3年間のリクルート営業生活を経て、ベンチャーキャピタリストに転身
銀行を退職して2つの職場を経験しましたが、

銀行を辞める時に考えていたことは間違いはなかった!
と感じています。
銀行員のみならず、『自分の企業は大丈夫か?』と不安になっている会社員の方は多いのではないでしょうか?
銀行を離れて2つの異なる職場を経験したことで、銀行が『オワコン』と言われる理由が分かりました。
この記事では、リクルートと銀行という真逆の企業文化や、営業職から企画職に転身した自分だからこそ分かる、銀行がオワコンと呼ばれる理由について解説していきます。
もし、同じような理由で今の職場に不満があるのならば、転職や別の環境を探した方がいいかもしれません。
- ザ・日本企業で働いている人
- 職場の雰囲気に違和感がある人
- 転職を考えている人
銀行がオワコンなのは業務内容の話?
最近では様々なニュースが流れ、「銀行はオワコン」と耳にする機会が少なくありません。

窓口のお仕事も将来的には必要ないのかなぁ
銀行への就職人気の落ち込みや、早期退職者の多さが騒ぎになっていますよね。
銀行が斜陽産業と言われる理由の多くは『業務内容について』です。
AIの進化や、競合の銀行事業参入、テクノロジーの発展による事務作業軽減など、「人間がやる必要がない業務が多い=オワコン」となっています。
しかし、ぼくが銀行を辞めた理由はこれらによるものではありません。
確かに銀行は右肩下がりの産業ですが、これまで何十年にも渡って蓄積してきた顧客接点や決済データなど、他の企業が持っていないアセットがたくさんあります。
これらを活かし、将来の銀行業務の在り方を大きく変えることは今からでも可能ですし、他の企業にはない大きな強みだと思っています。
では、銀行がオワコンなのはなぜでしょうか?
それは『長きに渡り形成されてきた企業マインド』です。

銀行員は勤続年数と共に違和感がなくなっていく
ぼくが銀行を退職した最大の理由は『企業体質、組織文化』です。
実は、銀行を退職した入社4年目の時は、仕事が楽しくて成長をしている感覚もありました。周囲との関係性も良く、会社に行くのは全く嫌ではありませんでした。
銀行を退職してから2つの職場を経験していますが、働く上での”周囲の環境”というのは非常に重要な要素だと痛感しています。
転職とキャリアチェンジをしている身として、銀行の独特の文化を客観的に解説してみたいと思います。
オワコンの根底は減点主義の銀行の文化
銀行から転職したリクルートは考え方も価値観も真逆のような文化でした。
具体的には、リクルートは「加点主義」の企業文化なのです。
加点主義とは、最低限の求めることのみを定義し、あとは個人の特徴や長所によってもたらされるアウトプットについて評価していくというもの。
銀行から中途入社した当初は「これって同じ会社なのかな・・・?」と感じるほど、企業文化の違いに驚きました。
一方、銀行の文化は『減点主義』です。
ある減点主義とは、あるべき姿を会社が定義し、不足している分について引き算で評価していくというもの。

じゃあ銀行の会社の文化を変えればいいのでは?
残念ながら会社の文化や考え方は簡単には変わりません。
特に銀行の場合は年配の方が多いので、会社全体としてやり方を変えたとしても、一緒に働く上司や先輩の人たちが心の中で思っていることや考えていることを変えるのは無理があります。
さらにもう1つ、銀行には企業文化を変えることはほぼ不可能だと言える理由があるのです。
銀行の業務内容が組織文化を形成している

銀行が企業文化を変えられない理由、それは「業務内容によるもの」です。
銀行は文字通り、お金を商品として成り立っているビジネスモデルです。
お金自体を扱うというのは、組織としても個人としても、かなり神経を使います。お金がない企業からすれば、銀行の存在は生命線といえるでしょう。
お金を扱っているので、立場を利用とした不正や横領のリスクを抑えなければなりません。
ですので、組織として不正を防ぐためには各人の業務内容を可視化し、厳しい統制を引いていく必要があります。
銀行の法人営業も減点主義にならざるを得ない

営業であれば数字を上げるから減点主義ではないはず
銀行の法人営業は融資の金額が営業目標として置かれていますが、安全な会社に安全な方法で貸し出しをせざるを得ません。
それが俗に言う、『晴れの日に傘を差し出す』という表現につながるのです。
本来、貸出しの業務でいえば、営業マンが各々の工夫により、雨の日に傘を差し出す方法を考えなければなりません。
しかし、昭和から平成にかけての銀行は、預かったお金を誰かに高金利で貸し出すという必然的に儲かるビジネスモデルでした。
だからこそ、会社は、誰が営業しても同じことが起きることを社員に求めてきました。
不正やミスが起きなければ、基本的に利益が上がる仕組みなのであれば、個人に自主性やオリジナリティは必要ありません。
マーケットの後押しもあり、銀行のビジネスモデルは減点主義が一番効率の良いマネジメント方法だったのです。
銀行員は自分のキャリアを真剣に考えなければならない
これまで述べてきたように銀行には独特の文化があります。
会社は業績を伸ばすことがミッションなので、従業員の人生やキャリアプランを第一には考えてくれません。
銀行でずっと働くことが悪いことだとは思いませんが、自分のキャリアを考えるにあたって次の2点について、ちゃんと考える必要があります。
① 周囲が自分に与える影響について
② 会社は個人の成長を考えてはくれない
① 周囲が自分に与える影響について
自分の考えや成長角度のほとんどは、一緒に働く人によって決まります。
ネガティブな言葉を浴びれば、やる気がないビジネスマンになりますし、安全策の方針の環境にいればチャレンジしない人になっていきます。
人それぞれ価値観が違うし、考え方も様々なので、「必ずこのキャリアが良い!」というものは絶対にありません
しかし、「自分の考えや仕事に対する姿勢は周囲の影響を大きく受ける」ということだけは間違ないです。
② 会社は個人の成長を考えてはくれない
銀行の例でも分かるように、経営者目線で言えば、実は減点主義が悪いと言い切れません。
会社として決めたことを忠実にこなしていくことで業績が伸びるのであれば、従業員個人に裁量を与えるよりもやることを決めてしまった方が良いからです。
ただし、1人の従業員として自分のキャリアを考えた時には話は全く別です。
当然ですが、会社は業績を伸ばすことが最優先あり、あなたの成長ではありません。
会社の成長と自分の成長が両立できれば良いのですが、簡単ではありません。
実はこの点において、リクルートは素晴らしい仕組みを構築しています。
リクルートが数年間の間に急成長した理由の1つでもあるのが「従業員の成長スピード」です。
自分自身、リクルートに入社して感じたことは働いている人がキラキラしていて、すごいスピードで成長していくことです。
銀行員が自分のキャリアに向き合うには?
ぼくは、銀行という組織に染み付いた文化が、自分の考えを侵食していくのが嫌で退職を決心しました。
皆さんが
・周りに尊敬できる人がいない
・会社の考え方が合っていない
・上司のようになりたくない
と考えているのであれば、すぐに行動すべきだと思っています。
なぜなら、20代で行動しない人で、30代以降に行動できる人はほぼいないからです。つまり、ずっと同じ会社にいることになるということです。
かといってむやみに転職活動をすることはオススメできません。
特にネットで情報を収集する際には、『銀行員からの転職』についての記事を書いている人がどんな人か?をちゃんと確認すべきです。
銀行のことをよく知らない人が書いていたり、元銀行員だが明らかにランクダウンした転職をした人が記事を書いています。
転職ブログに言われるがままにエージェントに登録すると、自分の考えも整理できていないまま求人に応募しても、無駄に落選するからです。
自分が参考にしたいと思える人が記事を書いているかどうかを確認すべきです。
具体的なアクションプラン
銀行員が転職活動をして失敗する典型的なケースは、ブログや転職サイトに言われるがままに、大手のエージェントだけに登録するパターンです。
大手のエージェントは求人数を多く持っているというメリットはありますが、1人1人に寄り添った転職サポートはしてくれません。
これまで述べてきたように銀行員は非常に特殊な仕事であり、独特な企業です。
銀行員の転職サポートをするには、「銀行の業務を知っていて、強みを整理してくれて、銀行員ならではのキャリプランを示してくれる」ことが求めれらます。
まずは自分自身とちゃんと向き合おう
転職を失敗する人の多くの間違いは「自分と向き合わないこと」です。
重要なのは、「自分のキャリアを真剣に考える」ことです。
その結果、『銀行員として頑張る』ことを決断することもあるでしょう。
どんな道に進むにしろ、自分でしっかり決断することが重要なのです。
最後までお付き合い頂き、ありがとうございました。
自分のキャリアについてこちらの記事で詳細に記載していますので、ご興味あればご覧になって見てください。

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