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日本サッカーは連帯貢献金とTC制度を戦略的に有効活用せよ

日本サッカーは連帯貢献金とTC制度を戦略的に有効活用せよ

日本人はサッカーを『ビジネス』と捉えるのが、苦手であり、もはや嫌がっているようにさえ感じます。

その考えの根底は『スポーツはお金稼ぎが目的ではない!』的な謎の美徳観念がある人が、日本人には多いからだと思います。

おそらく、「人間に値段を付ける」というサッカー界では、当たり前の行為は、日本人の心情にはあまり馴染まないのでしょう。

過去の日本サッカーの発展の遅さを見る限り、そうとしか思えません。

これには色々な理由があると思いますが、今回はサッカーの『育成』と『おカネ』について考えていきたいと思います。

目次

サッカーにはいい選手を育てれば、どんなビジネスよりも儲かる仕組みがある。

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サッカー界には連帯貢献金とTC(トレーニングコンペンセーション)という、どちらともFIFAが定めた良いルールがあります。

これは、特定の条件が満たされた場合に選手を獲得する側のクラブに金銭の支払い義務が発生するものです。

日本国内の移籍においてもTC(トレーニングコンペンセーション)は発生しますが、移籍金制度が2009年シーズンからFIFAルールに移行したのに対して、TC制度は選手会の反対を押し切って日本サッカー協会とJリーグが日本独自、Jクラブを過剰に守るようなローカルルールを作りました。
 

そのため日本には、アマチュア選手がプロ選手として移籍する場合の「トレーニング費用」とプロ選手がプロ選手として移籍する場合の「トレーニングコンペンセーション」という2つの育成補償金制度が存在します。

なので、TCや連帯貢献金は、育成したクラブに対価を与えるためにFIFAが設定した制度であるが、
一部、日本サッカーがカスタマイズしている制度といえます。

この2つのルールを理解して見返りを確保した上で、いかに次の世代への育成に投資していくサイクルを作り上げていくかが今後の日本サッカーには重要だと思います。

そうした施策をヨーロッパの多くのクラブは戦略的に行っているにも関わらず、日本にはその意識が低いように感じます。

この制度を有効的に活用するために、まずはしっかりと制度を理解していく必要があります。

トレーニング・コンペンセーション、略して『TC』と呼ばれる仕組みとは?

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この制度を別名「育成補償金」とも言います。

まず、英語があまり得意でない方のために、コンペンセーション(compensattion)の意味ついて調べてみます。
これを見ることで、その概要が少し想像できるのでないでしょうか?

この単語は「償い」「賠償」「埋め合わせ」の意味を持っています。

つまり、これは優秀な若手を育成・輩出したクラブ(育成元クラブ)に対し、その恩恵を受けることになるクラブ(獲得クラブ)が、その選手の育成に育成元クラブが費やしたコストを償ってあげる制度になります。

この制度が発生する条件としては

  1. プロ選手として初めて登録されること
  2. 満23歳のシーズンが終了する前に国際移籍をすること。

の2つとなっています。

この制度は移籍金が発生しなくても、つまり0円移籍でも、育てたクラブはお金がもらえる制度なのです。

どうやってその金額が決まるか?

これはその選手が所属する地域によって、金額を算出する際の係数が決まっています。

まず獲得クラブのカテゴリー(大陸連盟ごとにⅠ~Ⅳの4レベルが設定され、各国クラブはどこかのカテゴリーに振り分けられ、それぞれのカテゴリーごとに金額が設定されています。

例えばUEFAのカテゴリー『1』であれば年間9万ユーロ。
この金額(係数)と、育成元クラブにそれまで所属した年数とをかけ合わせてTCの金額を算出するというのが基本的な考えになります。

育成年代でクラブ(アカデミー)に所属している年数が長いほど金額が増えていく仕組みであり、若い選手が海外に出ていく最近の日本サッカーはどんどん活用すべきです。

日本代表の不動の10番の香川真司選手がドルトムントに移籍した際に移籍金は4,000万円だと報じられました。

しかし、セレッソ大阪が対価として得たのは、移籍金ではなくこのTC(トレーニングコンペンセーション)によるものです。

レンタルで獲得した選手が将来活躍したらおカネをもらえる『連帯貢献金』

こちらは優秀な選手を育成・輩出したクラブに対し、その選手が移籍することによって発生した移籍補償金の一部を還元する制度です。

この制度は、FIFAが定めたルールで、海外のクラブに移籍をした場合に適応され、国内移籍には適用されません。

条件としては、プロ選手が契約期間中に移籍補償金を伴って移籍すること。

対象となるクラブはその選手が満12歳~満23歳のシーズンに選手登録されていた各クラブで、発生した移籍補償金の5%を上記期間の所属クラブで(所属期間の長さに応じて)分配する方式となっています。

TCとの違いとしての大きなポイントは次の2つです。

  1. 移籍のたびにお金が入ってくる
  2. レンタルで受け入れた選手でもその権利は発生する

特筆すべきは②です。

23歳以下の選手を登録してさえいれば、試合に使おうが使うまいが、
それがレンタルでの獲得であって保有選手ではなかったとしても権利が発生するのです。

柿谷選手がバーゼルに移籍した際は所属元のセレッソ大阪だけでなく、
同選手を2年半レンタルで獲得し選手登録していた徳島ヴォルティスにも
連帯貢献金の権利が発生しています。

ちなみに、連帯貢献金は権利のあるクラブが請求しない限り支払われない仕組みであり、
公立の中学校、高校では請求しないケースもあるようです。(もったいない…….)

シャルケに移籍した際の内田選手の母校である、県立清水東高校も申請をしなかったとか…….

ちなみに香川選手の連帯貢献金でグランドの人工芝張替えを実施した
FCみやぎバルセロナ(12歳~16歳まで在籍)の話は有名で、結構ニュースになっていました。

どうやってその金額が決まるか?

◆12歳~15歳までの所属チーム
移籍金の0.25% × 所属年数

◆16歳~23歳までの所属チーム
移籍金の0.5%× 所属年数

例えば、清水エスパルスから、レスターに移籍した際の岡崎選手のケースだと…….移籍金総額が約13億円のため、その5%の6,500万円が連帯貢献金。

そして、この金額を12歳~23歳までに所属したチームに分配すると、以下の金額が各チームに分配されることになります。

★12歳~15歳に在籍 宝塚FC
0.25%(325万円) × 4年 = 1,300万円

★16歳~18歳に在籍 滝川二高
0.5%(650万円) × 3年 = 1,950万円

★19歳~23歳に在籍 清水エスパルス
0.5%(650万円) × 5年 = 3,250万円

岡崎選手のような日本を代表するスーパースターを輩出するケースは稀だと思いますが、宝塚FCのような少年チームにとって1,000万円を超える大金は、将来の岡崎選手を生み出す可能性が一気に広がる元手となります。

人工芝に変えたり、照明をつけたり、海外遠征をしたり……..

このような制度を、日本のクラブはもっと意図的に有効的に活用すべきだと思います。

連帯貢献金がJリーグ発展のカギになる

今の日本のユースチームなどで育成に携わっている方々が、必ずしも金銭的な目的のために選手を育成しているのではないのは重々承知です。

しかし、金銭が将来の育成のために必要であることも、これまた事実であり、やはりサッカーの現場レベルでもビジネス的な思考を持っていることは必要なのです。

だからこそ、良い選手を育て、金銭的なメリットを享受すべきです。

特に先に述べた連帯貢献金は戦略的に使うべきです。
将来有望な選手をレンタルで獲得して登録しておけば、後々、クラブに大きな収入をもたらすことができるのです。

特に今のJリーグには世界のスーパースターが続々とやってきており、海外への露出もかなり増えている状況です。

その状況の中、スーパースターの存在で能力を発揮し、大きく成長する選手もいるはず。

その代表例がヴィッセル神戸にやってきたイニエスタによって開花している古橋亨梧選手です。

古橋選手は、若い世代の時から代表に呼ばれていた訳でもなければ、J1のチームからプロキャリアをスタートしたわけでもない、いわゆる雑草系の選手です。

しかし、古橋選手はイニエスタの存在によって評価が急上昇しています。

もちろんすべて自前で選手を育成して移籍させた方が、TCと連帯貢献金のどちらの権利も保有することができるため金銭的メリットは大きいのは間違いないです。

しかし、J2のチームなどの予算に制約があり育成に投資できないクラブだとしても、将来飛躍する可能性のある潜在能力の高い選手を借りてきて育てることができれば、後々の収入になる可能性があるという連帯貢献金のメリットはとても大きいのです。

ロシアワールドカップの結果とスーパースター移籍の影響もあり、日本サッカーにスポットライトが当たる回数が増えている中で、海外のチームに高額の移籍金を支払ってもらうチャンスが増えています。

それが、『Jリーグの弱体化に繋がる』的な意見もあるが、ぼくとしては全く理解できません。

サッカーにしろ、ビジネスにしろ、人とおカネの好循環が良いスパイラルの原動力だからです。

日本サッカーにはもっと『おカネを稼ぐこと、使うこと』にが貪欲なってもらい、もっと盛り上がっって欲しいと思っています。

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